なんちゃらハラスメント【序】

                        
これまでおいたちで「突然の解雇」、その後は検診車のドライバーとして働く、というところまで綴ってきた。 ところが先日の「母の骨折」の記事内で看護学生であったことを書き、実にフライングをした。(時系列に沿っていない記事をご覧になり「あれ?」と思われた方がいらしたかもしれない。) あえてのフライングであった。 正直なところ、それ(看護学生や看護の仕事)についてこれまで書けずにいた。 それは私にとって、...
これまでおいたちで「突然の解雇」、その後は検診車のドライバーとして働く、というところまで綴ってきた。
ところが先日の「母の骨折」の記事内で看護学生であったことを書き、実にフライングをした。(時系列に沿っていない記事をご覧になり「あれ?」と思われた方がいらしたかもしれない。)

あえてのフライングであった。
正直なところ、それ(看護学生や看護の仕事)についてこれまで書けずにいた。
それは私にとって、あまり思い出したくないことであったからかもしれない。
内容が重いため書くのを躊躇した、というのもあるかもしれない。

あえてのフライングの後、私は少し昔を振り返り考えていた。
私は看護の資格を取った。
看護師として病院で少し働きもした。
しかし現在は看護の仕事に就いていない。

私と同じように、看護の資格を持ちながら、実際は看護の仕事に就いていない、就けなかった、続けられなかった、という人は世の中に大勢いることかと思う。

当時のことはあまり思い出したくない。
でも今まさに、あの時の私と同じ心情、同じような経験をされている方が世の中には居る。
そして、同じような事柄は看護以外の職種、学校、職場においても起こりうる。

当時の私は分からなかったけど、今だから分かる、今だからこそ書けること、があるかもしれない。…そう思えてきた。

なので、少しずつ綴っていこう、と思う。172626.jpg
内容が重い、と思われたら読み飛ばしてくれていい、
興味がある、同じ環境にあった、今同じ、という方は
このまま読みすすめて欲しい。

(Illust by IllustAC)

・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・・~・

おいたち話をつづけていこう。
検診車ドライバーは派遣の仕事で、将来に渡って働ける仕事ではなかった。
その後、私は看護学校(夜学)に通う。
訪問看護の仕事をしたい、という思いがあった。
そのため、准看護科卒業後は同じ学校の看護科への進学を希望していた。

二年間の准看護過程を無事に終え、卒業を迎えた。
この時、一番の仲良しで互い励ましあいながらやってきた学友から、思いもよらぬ申し出、というかお願いというか、忠告というか、懇願があった。
それは…、

「お願いだから進学はやめて!」というものだった。なんでも…

「看護科にはイジメを行う教師が居る。
 人当りがよく、皆から好かれ、成績が良い生徒がその教師のターゲットになる。
 Sunは絶対にそのターゲットにされるわ、私にはわかる。
 だから進学するのは止めて!」
ということだった。

「そういうのはただの噂話だよ~」と言う私に対し、学友は
「私の先輩が今そのターゲットになっているの。退学するか体を壊して倒れるかのどっちかしかない、と困ってる。それで調べてみたの。毎年必ずひとりの犠牲者が出てる。だから、進学するのは絶対にやめて!」
と彼女は泣きながら懇願した。

そこまで思ってもらえるなんてありがたい、心からそう思った。
しかし、「本当だろうか?」と半信半疑でもあった。
仮にそれが事実の話であったとしても、そのターゲットが「私」と断定する根拠はない。

でも少し不安はあった。なぜなら、
私は高校時代にハラスメントをまさに経験したことがあったからだ。
(次回につづく)

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なんちゃらハラスメント【高校】

                        
(前回の話はこちら) 学友から「看護科にイジメをする教師が居る」という話を聞いて、 「本当だろうか?」と思う半面、 全くないとも言い切れない、思い切れない自分が居た。 高校時代にハラスメントを経験したことがあったからだった。 それは家庭科教師によるものだった。 ・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・・~・ 私は小学生の頃からパンツ、靴下、運動靴が破れたら自分で針と糸...
(前回の話はこちら
学友から「看護科にイジメをする教師が居る」という話を聞いて、
「本当だろうか?」と思う半面、
全くないとも言い切れない、思い切れない自分が居た。
高校時代にハラスメントを経験したことがあったからだった。
それは家庭科教師によるものだった。
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・・~・

手芸 私は小学生の頃からパンツ、靴下、運動靴が破れたら自分で針と糸を使ってきれいに繕って履き続けた。
高校生の頃は自分で着る服をミシンで縫って手作りし、仕事で忙しい母に代わって食事、お弁当を作っていた。

手芸やお料理をつくることが大好きだった。         (Illust by IllustAC)
家庭科は大好きな科目のひとつだった。
そんなこともあり、小中学校を通し、家庭科は得意中の得意の科目であった。

高校での授業、提出物はきちんと提出し、テストの点数もそう悪くはなかった。だが家庭科の評価だけ毎回5段階の「2」だった。
数字2
小学校からその時まで、他の教科でも「2」は見たことがなかった。ちょっと驚きだった。
その後、学級担任の先生に呼び出された。「2」は進級にひっかかるから気を付けて、ということだった。でも、家庭科の出来が悪くて落第するなど、私には全く考えられもしないことだった。

いつも家庭科のテスト答案が返ってくると、点数の横に赤ペンでいろいろ書いてあった。「あなたは私の悪口を言って…」「あなたは〇〇〇…」、と長々書いてあった。全部私の悪口だった。
ある日みんなの答案を見せてもらった。みんなは点数しか書いてない。いつも「点数のみ」だという。 私の答案にだけ…、であった。
「この先生にだいぶん嫌われているんだろうね…」、帰宅して母とそう話した。

心当たりはあった。
家庭科の実習中、分からないことがあるとクラスの友人らは私のところに来た。
私は「先生に聞いてね」と対応していた。
しかし先生は一人で40人ほどの生徒を見ており順番がなかなか回ってこない。
そのため、多くの生徒が私のところに来た。
「あの先生、聞いても怒るばっかりで教えてくれないのよね」友人がそう言った。その言葉がたまたま先生に聞こえたのではないか?と感じたことがあった。

そして、進級できるかどうかが決まる学年末の評価。
あろうことか、家庭科の評価は、10段階の「1」であった。

学年末の「1」というのは、他の教科が全て「10」であっても進級できない、に値するものだった。数字1 担任の先生は「めったに見ることのない数字、極めて稀なもの、初めて見た!」と言っていた。

いくらなんでも…
ここで私はやっとブチ切れた。頭に来た。
しかし、私よりもいち早く頭に来ていたのは母の方であった。

そうそうのことでは他人を怒鳴ったりなどしない母が、学校に即行。
「うちの子が家庭科でこんな評価を受けるのは間違ってます!おかしいです!」と校長室に怒鳴り込んで行った。
校長室
校長室。母と私と校長先生。
この席で私は
「学校を辞めます!」と宣言した。

慌てる校長先生と母。
「辞めたらいけない!」とふたりは必死に私を説得する。

入学試験時の成績(この時知ったのだがなんとトップテン内だった)、これまでの成績、それらをふまえても「確かにおかしい」ということで、事実確認が行われた。
そのあと、校長先生から謝罪があった。
校長先生によると、教師も人間なので”ウマが合わなかった”ということらしい。本人にちゃんと注意いたしましたので、ということだった。

私は退学する気マンマンになっていたが、校長先生と母に説得されて、なんとか退学を思いとどまった。
高校生の時、このような経験があったのだった。      (photos by photoAC)

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なんちゃらハラスメント【看護学校①】

                        
今回の話は看護学校での体験談。 ゴールデンウィークさなかにありながら内容は重め。というのも、今実習のさなかであろう看護学生のことを思う気持ちから、今回と次回の記事は早々に伝えたい、という思いからの投稿である。 ・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・・~・ 「看護科にはイジメを行う教師が居る。進学はやめて!」と懇願する学友。 高校時代の経験が頭をよぎった。 だが、それま...
今回の話は看護学校での体験談。 ゴールデンウィークさなかにありながら内容は重め。というのも、今実習のさなかであろう看護学生のことを思う気持ちから、今回と次回の記事は早々に伝えたい、という思いからの投稿である。
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・・~・

「看護科にはイジメを行う教師が居る。進学はやめて!」と懇願する学友。
高校時代の経験が頭をよぎった。
だが、それまでの二年間、訪問看護師として働きたいという夢を目標に、夜学で頑張ってきた。この夢を簡単にあきらめることは出来ない。
「気持ちは分かった。でも夢をあきらめたくない。」友人にそう伝えた。

ここでひとつ言えるのは、類を友を呼ぶという言葉があるが、
この学友は私のようにハートがとても熱い人間であった。
が、それでいてとてもクールで、物事を客観的に捉えることもできる人間であった。彼女は私と違って、とてもヨミが鋭い人間だった。

卒業後、彼女は病院に就職し、私は看護科に進学した。入学試験、入学金免除の推薦入学だった。

学友のヨミは正しかった。
まもなくして私はイジメ教師のターゲットとなった。

それまでに試験で「欠点(落第点)」を取ったことは一度もなかった。
イジメ教師の試験はいつも作文だった。
クラス40人中、毎回私ひとりだけ欠点だった。
一度だけクラスでふたりの時があった。その子は全く白紙のまま提出していた。親の命令で仕方なく登校しており、学校を辞めるために白紙提出した子だった。

課題レポート、提出物も全て「不可」だった。
「不可」の場合、修正書き直しをして「良」or「優良」がとれるまで再提出しなければならなかった。
修正すべき箇所は付箋がついて返されたが、クラスメートは多くて5、6箇所。
私はいつも100以上、あまりの多さで全部数えてない。笑える量の付箋だった。
しかし笑っている場合ではなかった。
みんな2回目の提出でOKだったが、私だけ4回目、5回目と提出し続けた。
いつも最終期限の5回目まで「不可」のままだった。

課題 書き直しと新たな課題に追われ、毎日寝る時間はほとんどない。
手はペンだこだらけでパンパンに腫れて痺れ、血まみれだった。

尋常ではない…。

(photo by photoAC)


担任教諭に相談した。
「こういうことをする先生なのよ。くそっ、あいつめ、また始めたのね!」
担任はそう言った。
学友のヨミが正しかったこと、現実であることを更に実感するばかりであった。

学校では教諭同士の間に派閥、上下関係があった。
担任教諭は極めて立場が弱いグループにいた。
「その教師にたてついても余計にエスカレートするだけだから、我慢して頑張るのよ」ということだった。
「我慢して。負けないで。頑張って。」いつもそう励まされた。

ある日、担任教諭が学友たちの「優良」のレポートを借り集めてきた。
レポートの評価の際、特にここは良いという部分に◎と下線が記されるのだが、その部分を「全てかき集めて書くのよ」と大量のレポートを手渡された。
どう対処しても無理だと分かっていたが、担任の気持ちと行動は受け取った。
「優良」の学友たちの知恵をかき集めて結合し(👈まさに英知の結集である)、提出してみた。が、やはり最終期限まで「不可」であった。

ちょうどその頃、一学年上で学生会長を務めていた先輩が、教師との揉めごとが原因で学校を去った、と知る。
生徒、教諭、多くの人から慕われて成績も非常に優秀な人であった。卒業を目前にしてのことであった。
この人がこの年のターゲットだったのか、とすぐに分かった。
次は私の番だ。

クラスのみんなは来年の病院実習の予習にとりかかっている。
私はまだ夏休みの宿題レポートの書き直しをしている。
レポート再提出の都度「これをパスしないと実習に行けないのよねー。このままだとあなたひとりだけ実習に行けないわねー」、イジメ教師は嬉しそうに言う。愉快で愉快でたまらない、というあからさまなアピールであった。

私はこのイジメ教師がとても恐ろしかった。なぜなら、
この教師は、成績が悪いのはもちろん看護者として決してあってはならない言動が絶えなかった生徒を、異様なほどに擁護し、サポートし続けていた。
他教師らは「看護者に不適格」と指摘し続け、生徒も皆同様に感じていた。
看護の仕事は人に命に関わる。資質は重要だ。イジメ教師の行為は非常に恐ろしく思えた、今でも恐ろしく思う。

たまに信じられない医療事故、虐待などの報道を目耳にするが、この時「不適格な者もすり抜けている現実」として、このことがふと頭をかすめることがある。

94f930f781f5fa5c1669dbc5588b034d_s.jpg 何が正しくて何が間違っているのか、
分からなくなりそうになる、
そんな日々であった。(次回につづく)





内容重めだったので、気分リフレッシュ!に写真を。今日お散歩中に撮った写真
皆さま、良い休日を。(^^♪
テントウムシ 18222605_1297119310372729_2135298640702423059_n.jpg
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なんちゃらハラスメント【看護学校②】

                        
(前回の話はこちら) 来る日も来る日も、レポートの書き直しの日々は続いた。 3年過程の最後の年は病院実習が大半。 実習担当の教員は数名いた。やっとイジメ教師から逃れられる、そう思っていたが甘かった。 イジメ教師が私の担当だった。 イジメ教師は実習の全てにおいて権限がある実習担当主任だった。 なにもかもがこの教師の思いのままだった。 実習中の班長(リーダー)役は、ほとんど私に割り振られていた。 ...
(前回の話はこちら

来る日も来る日も、レポートの書き直しの日々は続いた。
3年過程の最後の年は病院実習が大半。
実習担当の教員は数名いた。やっとイジメ教師から逃れられる、そう思っていたが甘かった。
イジメ教師が私の担当だった。
イジメ教師は実習の全てにおいて権限がある実習担当主任だった。
なにもかもがこの教師の思いのままだった。

実習中の班長(リーダー)役は、ほとんど私に割り振られていた。
私が班長の雑用をこなしている間に、クラスメートはその日のレポート(実習記録)を書き終えて提出した。私はレポートを書く時間すらない。
「班長はクラス全員で交代に、にして欲しい」と担任教諭にお願いに行った。
全ての権限はイジメ教師にあったので、「たてついたら余計にエスカレートするだけだから我慢して。ここまでこれたのだから、あともう少しの辛抱よ。負けないで。頑張って」と励まされた。

実習をこなしながら、相変らずレポートを作成、書き直しに明け暮れる毎日。
以前は5回目まで提出しなければならなかったが、実習では期限がなかった。何度書き直しても、何回提出しても「不可」で返され、まるで地獄だった。
毎日睡眠は0~2時間。居眠り運転してしまったこともある。
いつ倒れるのか?いつ倒れてもおかしくない、ずっとそんな状況だった。

自分が倒れるのはどうでもよかったが、患者さんや人様に迷惑をかけることだけは絶対にしたくなかった。
702956.jpg 一度だけその旨を教師に伝えた。が、「出来ない人間は全く寝れなくても出来るまでやるのが当たり前なの!」と罵倒されたあと、いくつかの人格否定の言葉を浴び、泣きながら帰宅した。

(Illust by IllustAC)

半ば当たり前のことではあるが、とうとう体を壊してしまった。
体を壊して実習を休んだ場合、「(学校にお金を支払って)補習を受ければ大丈夫」という救済制度があった。
しかしイジメ教諭が作成した私の実習スケジュールは、補習が全く受けられないよう緻密に組んであった。
実習がクリヤできない事態となった。

それまでに幾人かの教師、学校関係者が私のことを陰ながら応援、バックアップしてくれていた。が厚生労働省が定めるカリキュラムである実習のクリヤについてはどうにもならない。
「どうしてこのことにもっと早く気付いてあげれなかったのか…」、応援して下さっていた教諭が悔やんでおられた。

救済制度が全く利用できないことが判明した時点で、私の留年が確定した。
それと同時に、母子家庭ということで高等技能訓練促進費給付金(看護や介護の資格を取得するための給付金)を受給していたが、これが即刻に打ち切られた。

経済的困難が予測されると、学校側は退学を執拗に勧めてきた。
留年しても学校を続ける意志があった。
学校側に「学校を続ける意志がある」と伝え続けたが駄目だった。

その頃になりネットで「看護学校」「イジメ」と検索をかけると、私と全く同じような体験をされた、されている人の書き込みが大量にあることを知った。
今回私がブログで取りあげたのはほんの一部で、他にも色々あった。その色々も含め、どれもこれもが私の体験とあまりに酷似している。
ターゲットが存在し毎年慣例化、教諭間の派閥の存在とその影響、作文による不当評価、全く睡眠出来なくされる、他。
不適格者に対する擁護や支援もまた同様で、目的はハラスメントによるダメージの増大、であろう。

被害者=ターゲットにはいくつかの傾向がある。
人当たりが良い、人気者、成績優秀、明るい性格、真面目、おとなしい、他職種経験者、母子家庭の母親、…

ネット上には、このようなことが許されてもよいのか、これが社会の問題として取りあげられるようになって欲しい、と悲痛な叫びが多数見られる。

しかし現時点では、世の中にはほとんど、いや全くと言っていいほどその叫びは届いていない、伝わっていない。
被害妄想や、本人の努力不足、能力不足、そういった風に片付けられてしまうこともあるようだ。
訴訟を起こしているケースもあるようだが、それは稀だ。

なしのつぶてであるかもしれないが、
ここで私は一石を投じてみる。
砂粒ほどの石ではあるが、この現実が少しでも社会にふれることを望む。

同じような経験をされている、された方で、伝えたいことがある方は右側真ん中ほどにあるMailformより伝言を寄せてほしい。
どうかひとりで苦しまないで。

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(photo by photoAC)

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なんちゃらハラスメント【看護の職場】

                        
(今回の記事は後半が少々Heavyな内容となっております。) 看護学校を中退後、一般企業で事務職として働いた。 しかし、看護職を完全に諦められなかったのだろう。 年齢も考えると再チャレンジをするのなら今しかないと意を決し、もう一度看護の世界に飛び込んだ。病院に就職した。 小さなクリニック、常勤看護師は私を含め2名、パートが1名。 しかしそこは、看護学校時代を思い起こさせるような世界だった。 最初から...
(今回の記事は後半が少々Heavyな内容となっております。)

看護学校を中退後、一般企業で事務職として働いた。
しかし、看護職を完全に諦められなかったのだろう。
年齢も考えると再チャレンジをするのなら今しかないと意を決し、もう一度看護の世界に飛び込んだ。病院に就職した。
小さなクリニック、常勤看護師は私を含め2名、パートが1名。
しかしそこは、看護学校時代を思い起こさせるような世界だった。
最初からそうではなかった。そうなったのには、きっかけがあった。

ひとつ目のきっかけは「トイレットペーパー」だった。
スタッフも患者さんも使うトイレのトイレットペーパーを、三角折りにするか、しないか、で先輩と話し合った。
トイレには手を洗う設備がなかった。
私は「感染上、衛生上、折らない方がいいと思う。」だった。
先輩は「三角に折るのは社会の常識。必ず折るべき。」だった。
そして「社会の常識を知らないあなたは非常識!」ということだった。

それ以降、私は先輩の意見に従った。(手を洗って)三角に折った。
先輩はそれ以降、「だからあなたはトイレットペーパーなのよ!」と、常日頃、何においてもトイレットペーパーの話を持ち出した、結びつけた。
それは3カ月が過ぎても続いた。
「トイレットペーパー」が水に流されることはなかった。

それまでは仲良しだった先輩と私。
ギクシャクの始まりは「トイレットペーパー」だった。

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                (photo by photoAC)


ふたつめは決定的だった。
ある日私は、車いすで来院された患者さんを手助けした。大したことではなく、ちょっとした手助けだった。
その後、患者さんとご家族が「大変感動した」と院長先生に話され、院長先生がスタッフみんなの前で、「君は看護師のかがみだ。」と私のことを褒められた。

その直後、「看護はチームプレイなのよ!スタンドプレーはしないでよね!」と先輩から叱責を受けた。
「チームプレイができないあなたは看護の適性がありません。今後看護の仕事はさせられません。これからは掃除婦をやってください。」と言われた。
翌日から先輩の指示で、私は看護師として現場に立つこと、院長や医師に近づいたり会話をすることが一切禁止となった。
(ドジでノロマな亀でおなじみの『スチュワーデス物語』みたいな展開。)

以降、患者さんが居ない時間帯は清掃婦、他は一日中反省レポートを書いた。
先輩がチェックし、OKが出るまで書き直すというもので、帰宅後も書き続けた。看護学校の時とまるで同じだった。
その合間、「叱るなら皆の目の前で叱ってください」と拒否をするも、無理やり個室に引きずり込まれ、人間が出来ていない、看護師に向いてない、早く辞めるべき、と先輩から叱責を受けた。半時間~1、2時間、日に何度も、であった。

現場に立つのは一切禁止だったが、時おり突然、先輩から指示があった。
それまでに指導を受けたり、練習したことがない手技を「今教えるので、今すぐやってちょうだい」というものだった。
最初の指示は先輩でさえ緊張して行っている造影剤の注射だった。もし漏れたら患者さんが皮膚損傷を起こす。
「出来ません。練習してからやらせて下さい」とお願いしても許されなかった。
ことなく実施してきたが、毎回とてつもない緊張とプレッシャーだった。

はじめは「そうやって鍛えてくれているのかもしれない」と良い方に解釈したが、それは間違いだった。
一度だけ、最初の一回だけドッキリでさせられるのみで、リピートはなかった。
以降も現場に立つことは禁止で、人間が出来ていない、看護師に向いていない、早く辞めるべき、という叱責は続いた。

ある日、「患者さんの造影剤が漏れていないかを観察して」と先輩に指示され、レントゲン室に入った。
ガラス越しにこちらを見ている先輩に「部屋から出ていいですか?」と言葉とジェスチャーで何度か伝えるも、OKの指示が出ない。
先輩がこちらを見てニヤッと笑った。その瞬間、撮影が始まった。
先輩は、私が部屋に居ることをレントゲン技師に伝えなかった。
撮影が終了するまで部屋に居る羽目になった。当然被爆した。

他いろいろあり、私は精神的にかなりダメージを受けていた。

ある日、私は急激な腹痛に襲われ、大量に下血した。
お尻からの大量出血に、最初は「痔か?」と思ったがそうではなく、腸から出血していて緊急入院だった。虚血性大腸炎だった。
(便秘がこの病気を誘発するが、それだけでなく、ストレスも誘因となる。)

退院し職場に復帰した。力むとまだ腸から出血するので職場に伝えてあったが、先輩はあえて力む作業を指示した。

とうとうここで私はギブアップした。
院長先生に「辞めないで」と引き留められたが、もう限界だった。

201609220557390ef_2017050716201453e.jpg 学校でのこと、職場でのこと、
看護に対する信頼は見事にぶっ飛んだ。
私は尻尾を巻いて逃げ出したのであった。


ちなみに、
三角折りは1966年、銀座の高級クラブ「クラブ順子」のママが逆さ富士をイメージして始めたという。
先輩が「社会の常識」と言ったのに対し、思わず吹き出しそうになるのを必死でこらえたことは確かである。

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【結び】なんちゃらハラスメント

                        
ここまで、ハラスメントについて自身の体験を綴ってきた。 これほどまで同じようなことが続くと、自分に原因があるからでは?と思ったり考えたりもしてきた。 色々考え、ふり返ってもきたが、ハラスメント=心の中にあるコンプレックスやプライド、嫉妬などが刺激されたときの過剰反応、のように思えている。 たとえばコンプレックス。これは誰もがみな心に抱き、人には知られたくない、隠している、隠そうとしている部分だ...
ここまで、ハラスメントについて自身の体験を綴ってきた。

これほどまで同じようなことが続くと、自分に原因があるからでは?と思ったり考えたりもしてきた。
色々考え、ふり返ってもきたが、ハラスメント=心の中にあるコンプレックスやプライド、嫉妬などが刺激されたときの過剰反応、のように思えている。

たとえばコンプレックス。これは誰もがみな心に抱き、人には知られたくない、隠している、隠そうとしている部分だ。
このコンプレックスが表面化する(人に知られたり、人から指摘されたり、自分自身で自覚する)と、自信を失いそうになったり、 「自分は必要とされているのだろうか?」と不安に感じることがあるかと思う。

この不安が人一倍大きく、「自分が必要とされなくなるかもしれない」と過剰に意識、反応するとハラスメントに至る。
不安の元であるその出来事や人物を、目の前から排除してしまおうとするのだ。

そのため、相手が弱まれば弱まるほど、不安が減少し、自信や存在価値を大きく感じ、精神が保たれる。
相手が抵抗するなどして平気に見えると、度合いをどんどん強めていく。

自身を守るがための過剰な反応であり、プライドや嫉妬も同様だと思えている。
ハラスメントを行う人は、とても臆病で、気が弱いのかもしれない。

よわむし


経験からすると、一旦「排除すべし!」と心の中にインプットされたモードは、相手がどんなに歩み寄りの態度を示しても、そうそう切り替わることはない。
それどころか、むしろヒートアップする。

なので、あまりに度を越えたイジメ、ハラスメントに対しては、我慢するよりも逃げ出すのが一番、と個人的には思えている。

逃げ出すというのは「負け」みたいにも聞こえるが、そうじゃない。
自分を守るために、自分を安全な場所に避難させるだけである。

こどもの場合、転校、引っ越しなど逃げる選択、行動を自らとるのが不可能で、「親に迷惑や心配をかけたくない」と内緒にすることが多い。
悲しい報道がある都度、内緒にしないで相談してほしい、といつも思う。

ハラスメント常習者がのさばっていられるような環境は、土壌が腐っている。
そのような場所に根をおろすより、栄養たっぷりの土壌で生き生きと根を張った方がいい。大いに成長できる。

志しを自ら閉ざすのはよくないことだ、という思いから、極限以上に頑張ってしまったり、
志しを自ら閉ざしてしまったことに対し、罪悪感、やるせなさを抱き続けることもあるかもしれない。
実際、私はそうだった。そういう過程を経てきたと思う。

でも気付いた。

諦めたり逃げ出したりすることは、必ずしも悪いことではない。
それは自分で出したひとつの答え、ひとつの選択。
自分自身の答え、選択に自信を持つことは大切だ。

これまで頑張ってきたもの、頑張ってきた時間、全てが無駄になるかもしれないという不安があるかもしれない、無駄になってしまったという失意を抱くことがあるかもしれない。

実は私自身、自分がやってきたことが無駄だった、無駄になってしまったという思いを一時は抱えこんでいた。
カモミール.jpg
でも、今は違う。今は言える。

人生に無駄なことなど何もない。
全てのことに意味がある。

しなやかな強さを得て
次に歩き出そう。

カモミール『苦難に耐える』『逆境で生まれる力』

(photo by photoAC)

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